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園からのおたより

出会いと別れ

私が西多賀幼稚園の教員になった最初の年、受け持ったのは年長組でした。失敗ばかりの新米教師に、保護者の皆様も子どもたちも、きっと何回も、「この先生、ホントにだいじょうぶか…?」と思われたことでしょう。それでもいつも温かく見守っていただき、支えていただき、なんとかかんとか一年を終えました。そして迎えた卒園式…。式の最中は、ミスの無いようにと気が張っていたのですが、いざ保育室に戻り、一人ひとりに卒園証書を手渡し、最後のお話をしようとしたところで、何かがプッツンと切れました。そこからは思い出すのも恥ずかしいくらいです。何か言おうとしても涙が出てくるばかりで、ノートいっぱいに書いてあった子どもたちや保護者の皆様へのごあいさつも、お礼の言葉もほとんど言えぬまま、わけがわからないうちに帰りのあいさつをして解散しました。(ちなみにこの夜、家でも泣いたことを覚えています)ほんとうに、担任失格でした。あれから何十年も経ちましたが、今でも、「子どもたちにとって一回きりの大事な幼稚園の卒園式でしたのに、申し訳ありません…(泣)」という気持ちしかありません。

いよいよ2日後に卒園式を迎える年長組のお友だち、ご卒園おめでとうございます。年少組から入園したお友だちは、新型コロナウイルスの影響で2か月遅れの入園式でしたね。多くの行事が「見送り」や「簡素化」になり、無力感に包まれたり、コロナ前の子どもたちと同じような園生活をおくることが難しかったりした中でも、そのときそのときを全力で楽しみ、たくさん経験し、たくさんの笑顔を見せてくれたみんな。年少・年中組さんが憧れる、ステキなお兄さん・お姉さんだったみんなの小学校での生活が、輝くものであるように、心から願っています。

そして、年少・年中組さん、お正月が明けて、進級前の一か月足らずの間に、みんなはすごく成長しましたね。どの顔からも、「もうすぐひとつ大きい組になること」への自信と喜びが感じられます。この調子で、年長さんからのバトンを受け継ぎ、次に入園してくるお友だちにも、優しくしてあげてください。そして、もっとたくさんのお友だちを作り、幼稚園生活を楽しんでくださいね。

集団生活の中で経験するであろう出会いと別れ…。幼い子どもたちなりに、小さな胸に刻んでいくことと思います。お家の方にも、その気持ちに温かく寄り添って見守ってくださるようお願いいたします。

3月13日配布の園長つうしん「みんなえがお」より一部抜粋

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